蚊取りにゃんこう
昨日義母の納骨をしてきました。
そう言えば私がこの家に来たのはざっと10年前、
そのころから時空を彷徨うようになっていた義母の介護のためでした。
古い家で土壁と木の戸の家。
トイレも水洗ではなく昭和の和式スタイルで台所は土間。
流し台は黒っぽい石でできていて途中でやめたようなタイル張り
今日のようにジメッとした気候だったので、
たちこめる独特の匂いに頭を占領されながら描いたのがこの1枚
そう言えば、
蚊取り器のデザインが豚なのは江戸時代にはじまり、
そもそも豚の野生種イノシシが「火伏せ神」として
崇められていたことからなんだとか。
でもこの絵、最初はこんな
ただの穴だった。
でもこの家、とにかく「蚊」、より小さい虫(というより虫全般)が多い。
(ここからちょっと愚痴るよ)
昔ながらの木の戸で網戸はなし
夜などは電気を点けて紙を広げると白い紙めがけて、
蚊やら蛾やらブヨやらベンジョコーロギ?え?ここトイレじゃないよ…という具合に
家の中ではお目にかかれない虫が集まってくる。
それでも、なんでだろう描きたかった。
たぶん絵など描いている状況じゃなかったんだろうけど
何かに没入して気持ちを整えたかったんだと思う
最大の戦力は蔵で発見した「蚊帳」
それを吊って潜り込み、その中で描いた。
樟脳と蚊帳独特の染料?の匂い
この絵の思い出はそれだ。匂いの記憶ってすごい。
こうして眺めているだけでもあの匂いが脳裏に蘇ってくる。
ところが侵入者は蚊だけでは「なかった」
天井裏からトコトコと足音がする。
きっとネズミだなぁ…大きいのかなぁ、
これはさすがに「火伏せ神」でも蚊帳でもだめだなぁ
嫌だなぁオッカナイなぁ
せめて可愛いハムスターだったら我慢も出来るのになぁ…と
願望と妄想、現実逃避を描いたら「火伏せ神」より楽しくなってきちゃって
こんな絵になっちゃった。
脱線にもほどがある「火伏せ神」どこへやら。
11年前の愛しき失敗作なのです
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